旅バカ医大生、絶景求めて世界一周。

アウトドアを楽しみながら、バックパッカーとして世界一周を目指すブログ。現在55ヶ国訪問!以前は野宿で自転車日本一周をしていました。キリマンジャロに登ったり、登山も好きです!

DAY245 エジプト 〜列車に乗って200km、ルクソールからアスワンへ〜



朝起きたのは7時。

場所はナイル川のほとりにある、エジプト・ルクソールの宿。



今日も朝からナイル川の岸辺を散歩。



贅沢な毎日です。




今日はルクソールの街を離れて列車でナイル川沿いを遡り、

250kmほど離れたアスワンの街へ移動する予定。



昨日ルクソール駅で購入した切符を持って、

再び駅へと向かいます。




乗る予定の列車は9時45分ルクソール発。



しかし、列車は3時間以上遅れているそう。

エジプトではいつものこと。

インドを思い出します。



係員によると、チケットがあればどの列車に乗ってもオッケー、とのこと。



というわけで、30分後にやってきたアスワン行きの別の列車に乗り込みました。



1等車なので非常に快適。

料金はたったの51ポンド(約320円)。



刑務所のようなインドの列車とは大違いです。笑




列車は約3時間半後の13時に、アスワンに到着。



今日の宿はナイル川の中州に浮かぶ安宿。

そのため、中洲へ向かう船が出る船着き場に向かいます。

ここが船着き場。



5分ほどで船が到着。


イスラム教の国なので女性は優先、

船の前半分は女性専用なので後ろに乗り込みます。



写真で対岸のように見えるのが、宿のある中洲。



ものの2〜3分ほどで到着し、宿にチェックイン。



ナイル川の水は澄んでおり、船が複数浮かんでいます。





この宿では、宿泊以外にあしたのツアーの手配をするつもりでした。


明日の予定は、いまいるアスワンから300km南にある、

アブシンベル神殿へ行って帰ってくること。



本当は、このアスワンから出ているアブシンベル神殿往復ツアーに参加する予定でしたが、

宿で確認してみると予約でいっぱいとのこと。



しかも、ツアーを催行している大元の管理人がいっぱいと言っているそうなので、

他の代理店で聞いても同じでしょう。



車を貸し切って行くと97USD(約11000円)かかると言われたので、

仕方なく、地元民が使うローカルバスで行くことに。



宿の主人によると、

ローカルバスなら往復100ポンド(約660円)だそう。


「お弁当作ってやるよ!笑」と言われました。

というわけであしたは地獄のバス旅決定です……笑






今日は特にすることもないので、

アスワン郊外にあるイシス神殿という遺跡を見に行くことに。



あした訪れるアブシンベル神殿と同様にこのイシス神殿も、

アスワンハイダムの建設によって水没の危機にさらされましたが、

UNESCOの援助により、分解・移転され、守られました。


アスワンハイダムは1970年、ドイツと旧ソ連の協力によって完成したダムです。



当時、急激な人口増加という問題を抱えていたエジプトは、

ダムを造ってナイル川を堰き止めることで、

ナイル川の氾濫をコントロールし、

農業用水の安定した確保と電力の生産を行おうとしました。




ここで問題になったのが、ダムの建設によって造られる人造湖に、

貴重な遺跡群が沈んでしまうこと。



なにしろ、人造湖の規模は世界最大の全長500km(東京〜大阪と同じ距離)、

琵琶湖の7.5倍というとてつもないものです。




遺跡群を水没から救うべく、UNESCOは世界中から資金と知恵、技術を集めました。


そして、遺跡を切断して巨大なブロックに分け、

移設して組み立ててしまうという計画が実行され、

無事に成功しました。




さらにこれを機に、

人類の宝でもある貴重な文化遺産、自然遺産を保護していこうという機運が高まり、

世界遺産条約が採択され、

この移設された遺跡群は世界遺産第1号として登録されました。




遺跡の入場チケットを購入し、渡船乗り場へ。



しかしここで問題が。

訪れている観光客はぼくたち以外全員がツアー客。


ツアーではなく個人で訪れた場合、

船を貸し切って渡らなければいけないそう。


バカバカしい決まりです。


ニヤニヤと船頭たちが近寄ってきて、

足元を見て値段をつりあげてきます。



泣く泣く180ポンド(約1300円)で船を貸し切りました。


看板には大きな文字で船は1隻150ポンド、と政府が書いていますが、

全員がその決まりを無視すれば、ぼくらはどうしようもありません。




どうせ政府側の係員にもキックバックがあるので、

通報したところで何の対応もしてくれないでしょう。



エジプト人の観光客へのタカリっぷりは本当に酷い。



こんなことをさせるために、世界中の人々が協力して遺跡を移設したわけではありません。

あぁ、腹が立つ。



遺跡はとんでもなく素晴らしいですが、

人間が腐りきっている国、エジプト。




そしてぼくたちだけを乗せた、ガラガラの大きなボートは出航。





ものの数分でイシス神殿がある島に到着しました。




ナイル川をバックにして建つ神殿はなかなか絵になります。





門構えもなかなかに立派。




しかし、この遺跡、

ルクソールなどにある他の神殿と比較すると、

保存状態が著しく悪いです。


ボったくられてイライラしているので、

文句ばっかりですみません。笑




彫刻は殆どが削り取られ、

壁には落書きだらけ。


落書きの日にちは1800年代と、

それすらもはや歴史になりそうな古さですが、残念。


ローマ字で書かれており、名前的にも、

ここを訪れたヨーロッパ人が残したものでしょう。




ただ、場所によっては保存状態のよい壁画も。





この神殿は、他の多くの神殿とは異なり、

左右非対称な造りをしているのが面白いです。



たっぷりと堪能したあとは再び船に乗って戻ります。





街に戻ったあとは、ナイル川に沈む夕陽を眺めながら夕食。



絵画のような風景です。美しい。




すっかり辺りも暗くなり、街を散策。




スークをぶらぶらします。





ルクソールのスークとは違って客引きも控えめで、

とても居心地のいいスークです。




再び船着き場まで歩いていき、渡し船に乗って、

宿のある中洲へと戻ります。


あしたは地獄の長距離移動が待っているので、

今夜は早めに寝ます。



おやすみなさい。