世界一周102日目前編 タンザニア(39) 〜キリマンジャロ5日目(山頂アタック)前編 〜一同衝撃。300回登頂のガイドを遥かに上回る、ぼくの体の異常すぎる能力〜
世界一周102日目
バラフキャンプ(4673m)〜ウフルピーク(5875m)〜バラフキャンプ(4673m)〜ムウェカキャンプ(3100m)
たった30分の仮眠から目覚め、起きたのは夜11時。
山頂アタックに備えて防寒着を着込み、11時半から軽食。
もちろん食べ物も喉を通りません。
そして日付が変わって0時。
いよいよ山頂アタック開始です。
目指す頂は標高5895m、
アフリカ最高峰のキリマンジャロ山頂「ウフル・ピーク」。
標高4673mのベースキャンプを出発し、
標高差1200mの地獄の登り坂です。
標高差1200mと言うとピンと来ませんが、
富士山の吉田口5合目(約2500m)から山頂(3776m)と
ほぼ同じ標高差。
これを深夜0時に出発し、朝6時半の日の出までにゴールしなければいけません。
そして9時ごろにはベースキャンプに戻って来ます。
つまり、深夜0時から富士山に登って御来光を見て、
下山してきて朝食を食べるのとほぼ同じ標高差。
これを富士山より2000m以上高い、
標高約5000〜6000mの区間で行います。
このアタックの過酷さが伝わったでしょうか。笑
しかもアタックは真夜中。
気温は軽くマイナス10℃を下回ります。
そして吹きつける爆風。
体感温度はマイナス20℃以下。
挑戦する前からビビり倒してます。
話は変わりますが、
昨日の夕食のとき、
1人が持ってきたパルスオキシメーター(血中の赤血球の酸素飽和度を測る機械)でみんなのSpO2を測りました。
要するに、血液の中にどれぐらい充分に酸素があるか、という値です。
海面と同じ標高では、普通の人の値はだいたい99%。
標高が高くなり、酸素濃度が下がるにつれて、SpO2も低下します。
キリマンジャロのベースキャンプ(標高約4800m)では、
みんなだいたい50〜70%ぐらいでした。
試しに、他のいろんなスゴい人の値を測ってみました。
まずは、
重い荷物を抱えて、標高5000mの高地を軽々と歩くシェルパ。
78%。
さすがにぼくたちの平均より遥かに高い。
次に、
同じパーティーにいた、7大陸最高峰(セブン・サミッツ)挑戦中のイスラエル人登山家。
日頃から高地トレーニングとして、
呼吸がしづらくなる専用のマスクをつけて5kmランニングし、
心肺機能を高めているそう。
なんと驚きの85%。
そして次は、キリマンジャロ(5895m)登頂成功回数300回以上、
2週に1度はキリマンジャロに登っている、うちのパーティーのチーフガイド。
イスラエル人登山家を越える衝撃の87%。
最後に。笑
やたらと高地で息がしやすいぼく。
高山病には一度もなったことがなく、
高地で息苦しさを感じたこともなし。
標高5000mでも歌いながら登山してます。
なんと、目を疑う96%。
ほぼ平地と変わりませんでした。笑
これには一同びっくり。
まさかの自分の秘められた才能を知った夕食でした。
さて、話を山頂アタックに戻します。
深夜0時にベースキャンプを出発。
5人で隊列を組んで登ります。
気温はマイナス14℃。
スキー用の厚手の手袋をも貫通する寒さ。
一歩でも歩みを止めると、一瞬で身体が冷えてしまいます。
持ってきたハイドレーション(タンクにチューブが付いており、チューブから直接給水できる)も、
あまりの寒さに凍ってしまいました。
凍てつくような寒さ、登るほどに薄くなっていく酸素。
それでも足を止めることは許されません。
気の遠くなるような6時間。
イヤホンで音楽を聴いて、なんとか気を紛らわせながら歩きます。
頭上には満天の星空。
標高6000mの星空なんて滅多に見られるもんじゃないですが、
星空を楽しむ余裕は全くありません。
標高は5500mを突破。
空気中の酸素量は海面のなんと50%以下。
意識して深呼吸を続けないと、体内の酸素が足りなくなり、
あっという間に高山病になってしまいます。
そして出発から6時間後の午前6時。
とうとう急な登り坂を登り終え、
ステラポイント(標高5756m)に到着。
ここからは標高およそ6000mの緩やかな登り坂。
富士山のお鉢巡りと同じように、火口沿いに歩いて最高峰のウフルピーク(5895m)を目指します。
地平線が白んできました。
夜明けはもうすぐそこ。
白んできた夜空に照らされる、雲海と山岳氷河。
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロは、
ほぼ赤道直下にありますが、その高さゆえに山頂には氷河が存在します。
しかし、地球温暖化により急速に縮小しており、
5年後には全て溶けてなくなってしまうとも言われています。
こんなにデカいのに。
朝日に輝く氷河はまさに絶景。
そして、とうとう地平線から太陽が。
凍てつくような寒さもほんの少しだけ和らぎます。
あまりの景色の美しさ、壮大さに、全身の力が抜けて笑いがこみあげてきました。
いやー、ほんとに遠かった。。。
日は昇り、広がるのは青空。
眼下に遥かに広がる雲海。
景色に圧倒されながら、一歩一歩歩みを進めます。
そして、ついに……
続きは後編で。
世界一周102日目後編 タンザニア(39) キリマンジャロ5日目(山頂アタック)後編 〜ついに辿り着いた、マイナス14℃標高5895mの頂〜 - 旅バカ医大生、絶景求めて世界一周。
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