旅バカ医大生、絶景求めて世界一周。

アウトドアを楽しみながら、バックパッカーとして世界一周を目指すブログ。現在55ヶ国訪問!以前は野宿で自転車日本一周をしていました。キリマンジャロに登ったり、登山も好きです!

世界一周90日目 マダガスカル(36) 〜罠にはまり、犯罪者として警察に身柄を拘束される〜

世界一周90日目
ケニア(ナイロビ)〜マダガスカル(アンタナナリボ)〜マダガスカル(ムルンダヴァ)





世界一周90日目。

この記事を公開したのは日本に帰国してから半年後です。



下書きの状態でずっと寝かせていましたが、

個人的にも気持ちの整理がついたので公開しました。



詳しくは記事の最後に書きました。

長文ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。













昨夜22時30分にケニアの首都・ナイロビを出た飛行機は、

定刻通りの午前1時50分にマダガスカルの首都・アンタナナリボに到着。








2日前にウガンダを出国拒否されたため、このマダガスカル行きの飛行機は全て1日ずらして取り直す羽目になりました。

↓詳しくはここに。
世界一周88日目前編 ウガンダ(35) 〜腐敗した係官に止められ飛行機に乗れなかった、過去最悪の悲劇〜 - 旅バカ医大生、絶景求めて世界一周。


その結果、空いていた飛行機の最後列の席がぼくに割り当てられました。





飛行機の最後列は、基本的に急病人のためなどに空けられていることが多いので、

ぼくの周囲には他に誰も乗客がいませんでした。



ラッキー!めっちゃ広く使えるやん!




まさか、これが後にあんな悲劇を引き起こす原因になるとは……






マダガスカルは植民地時代の宗主国がフランスだったため、国民のほとんどがフランス語を話すことができます。


つまり。裏を返せば。


ほとんど誰も英語を話せないということ。笑

つまり、意思疎通が全くはかれません。

空港の職員でさえ。








ほぼ定刻通り、深夜1時50分にマダガスカルに到着した飛行機。

この飛行機は、今日最後にこの空港に到着する便でした。



つまり、ぼくらの飛行機の乗客さえ捌けば、朝になるまで空港はお休みです。





マダガスカルは数年前まで到着時に空港でビザを発行すれば無料でしたが、

現在は有料化されています。





最後列に座って爆睡していたぼくは、飛行機から降りたのももちろん最後。

最終便の最後だったので、今日最後に空港に降りた乗客になりました。



ビザ申請用紙を記入し、ビザを発行するブースに向かいます。





どうやらまずは料金を支払うブースのよう。


係官にパスポートを渡すと、「30ドル」と言われました。





30ドルを支払うと、「足りない」とのこと。


ん?いや、払ったやん。いま。

「いくら足りない?」と聞くと、係官はこう言いました。






「30ドル。」






いや、ふざけんなよ。笑


いま払ったやん。





係官に「払ったやん」と伝えると、

「分かった、じゃあ次はあっちのブースへ行け。」とのこと。


なんやねんこの絡みは。






次のブースへ行くと、

「30ドル払った証明に貼られるシールが貼られていない。
あっちのブースで30ドル払ってきてください。」

とのこと。






ここで気づきました。


やられた。。。




ぼくは最終便の最後の乗客。


ぼくの後ろには誰も乗客がいませんでした。


つまり、支払いの目撃者はゼロ。




これ、30ドルを2回払わされて、1回分まるまるあの係官の懐に消えるやつや。

ふざけんなよ。




10ドル未満ならまだしも、30ドルは高すぎる。

こんな理不尽なこと許せん。


諦めてたまるか。






30ドル騙し取った係官のところに戻り、

「支払い証明のシールを貼ってくれ」と言います。





係官はほくそ笑みながら言いました。

「30ドル払ったらな。」




くそっ!!!!やられた!!!!!!

30ドルも騙し取られて、このままでは終われません。





30ドル返せ、と頑なに主張しますが、聞く耳を持たない係官。


ラチが明かないので、他の係官のところへ行って事情を説明します。




が、しかし。

誰も英語が話せない。空港職員なのに。

そう、ここは旧フランス領。





必死にジェスチャーで事情を説明していると、周りに他の係官も続々と集まってきました。


そして彼らに辿々しい英語で、

「同情はするが、目撃者がいないので証明できない。
それに、支払いの担当者はあいつ(騙し取った係官)なんだ。」

と言われました。





すると、人がたくさん集まってヤバいと思ったのか、

歩いてやってきたあの悪徳係官。




そして、「分かった、分かった。」という感じで

半笑いで1ドル札を2枚手に握らせてきました。







30ドル騙し取って返してきたのは2ドル


ふざけんなよ。





最終便の乗客を全て捌いた(ぼくを除いて)空港は、

今日の業務が終了。


係官たちも散り散りになり、それぞれ帰る準備をします。




つまり、あの悪徳係官も帰ろうとします。

2ドルを残して。







ぼくは悪徳係官を追いかけ、そいつのデスクまで行き、

デスク越しに「30ドルを返せ」と頑なに連呼します。




助けてもらえないかと一縷の望みを託して

マダガスカル日本大使館に電話してみましたが、深夜なので出ず。




仕方なく、係官とデスク越しに押し問答。


係官は話に聞く耳を持たず、てきぱきと帰る準備をします。




そして一言、「日本人は揉め事を好まないんだろう?」とほくそ笑みながら言ってきました。


これは確信犯や。





ガイドブック「地球の歩き方」にも、



「アフリカの中でもマダガスカルは日本人観光客に比較的に人気で、

マダガスカル人は日本人が金持ちだと思っているので、

ぼったくられたりすることが多い。」



と記述がありました。



後日、このあとのマダガスカルの旅でも、

何度もぼったくろうとしてきました。





それに加え、日本人は揉めるなら少額のお金は諦める、という人が多い。


特に、マダガスカルに個人で来るような日本人はほとんどおらず、

大部分は数十万円以上するパッケージツアーで訪れる観光客。

つまりお金持ち。



なおさら争わずに30ドルぐらいなら払う人が多いのかも。





また、マダガスカルの公権力(警察、役人)の腐敗はなかなかひどいものがあります。



交通違反の見逃しのため、ぼくの目の前で公然と警察は賄賂を受け取っていますし、

遺跡の入場管理の役人が地元のチンピラとつるんで、

不当に入場料をつりあげているところもありました。







つまり、今回のパターンでは、

・最終便
・最後列
・日本人
・1人旅
・フランス語が喋れない

の5つのアンラッキー要素があった。


それは悪徳係官も狙い撃ちにするでしょう。

やられた。悔しい。





てきぱきと帰る準備を済ませた係官は、

「Bye! Good night!」と挑発的に言って裏口から帰ろうとしました。


「待てよ!」と思わず係官の袖を掴んで引き寄せたぼく。






「分かった、じゃあ空港警察に行こう。」と係官。


お、珍しい。 こいつから警察に行くとは。




警察に着くと、係官はフランス語で警察官に事情を説明します。

何を言っているのかさっぱりわからず横で待つぼく。




すると、この空港で唯一英語が喋れる警察署長が出てきて、ぼくに話し始めました。




「君の言いたいことは聞いた。

残念ながら君がお金を支払うのを見た人はいない。」



仕方ないです。

話を続けて聞きます。



「ただ、君が係官に暴力を奮ったのを見た人はいる。

我々は君を逮捕しなければいけない

そして君はこの国に入国できない。」




ちょっと待てよ。 暴力…?


もしかしてあれか、挑発して帰ろうとするから思わず袖を掴んだやつか!


やられた……

この係官、ぼくがフランス語を分からないのをいいことに、無茶苦茶な方向に話を進めたな……。





警察署長は続けます。

「君は係官に謝罪しなければいけない

そして係官が君を許さなければ、君はこの国に入国できず、そして逮捕される。」




終わった。。。






落ち着いて考えればここは空港。

そして相手は空港係官と空港警察。



そりゃあ例え日本でも、

よく知っている職場の日本人同僚と、

知らん国から来た言葉の通じない外人がトラブったら、

誰だって日本人同僚の肩持ちますよね。


そりゃそうだ。





仮に逮捕でもされれば全てがパーになる。

くそ。

マジで悔しい。


そしてぼくは、30ドルを諦め、謝罪する道を選びました。



署長と共に係官の所に行き、係官に頭を下げると、

「まあ彼は若いから。長旅で混乱してたんでしょう。」と係官。





くそ!!!!!!!この野郎!!!!

ぶん殴ってやりたい。





こぶしを握りしめ、グッとこらえて謝罪しました。


去り際に後ろを見ると、ざまあ見ろ、とばかりにこっちを半笑いで見る係官。



全て彼の計画通りでした。






時刻はもう4時。

2時間近くも揉めていたことになります。



渡されたクッシャクシャの1ドル札2枚をポケットにしまい、
空港を後にして歩き始めました。




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空港からアンタナナリボの街までは約20km。

タクシーに乗り、アンタナナリボの宿に飛び込んだのはもう4時半。


遠くから鶏の鳴き声が聞こえます。






ああ、疲れた。


かろうじて残った気力を振り絞ってシャワーを浴び、

ベッドに倒れこんだのは5時。








最後に。

この記事を公開したのは日本に帰国してから半年後です。



下書きの状態でずっと寝かせていましたが、

個人的にも気持ちの整理がついたので公開しました。





バックパッカー旅には、常に危険が付きまとい、

起きたことは全て自己責任です。



悔しいときもありますが、

一時の感情に流されてしまうと痛い目に遭う、と学ばされました。




今回は逮捕されずに釈放されたのが幸いでしたが、

本当ならあのまま暴行罪で逮捕され、

言葉も分からない異国の法律で裁かれ、

日本に帰ることもできず捕らえられていたとしても不思議ではありません。





バックパッカー旅は楽しいです。

ただ、今回痛感したことは、


「悔しくても、命以外の全ては諦めろ。」





これからは肝に銘じて旅を続けます。


このブログを呼んでくださっている皆様も、

頭の片隅にでも置いていただけると嬉しいです。




長文、駄文失礼しました。